その本は普通の本屋にはなかなか無いものだった。あるわけがなかった。
でも確かに目の前にその本は、
目の前に、あった。現れた。
ありえなかった。
でも、たまたま神奈川県の、全国の、たった一件のその本屋でしか開催してなかったブックフェスがあって、たまたまこの3ヶ月だけやってた。
そしてその小さなブックフェスに並んだ数冊の本の一冊に選書されてた。
有名でもなんでもなかった。
たまたま絵本に興味をもっていたわたしだから知っていたくらいの作者の方のエッセイだった。
わたしはその本を見つける数分前に何の気なしに検索機で検索しても在庫は無しだった。あるわけないよな、と特になんとも思わなかった。本来は無いのだ。
大して大きい本屋でも無くて、在庫なんてたかが知れてる。
その棚の、目の前に立っていて、
その真下、目線の真下にあった。
それを見た瞬間、ゾクッとした。
心の奥底から、ゾッと、ゾッと震えた。
この感覚を知ってる。
正しい方へ進んだときに起きるシンクロニシティのような、うん、そういうの。
わたしは知ってた。きょうが特別な日だということ。きょうはなにか知らせが来る日だということ。きょうが特別な日なのを。
だから数字をよく見ていた。
怖かった。怖いくらいに、眼前に、
今置いといたというほどにわたしは気づかずにいつの間にかソレの目の前に立っていて、目を合わせた。その身の毛がよだつかんじ、これはスゴく重要だよね?
きょう心の中で固く決意したキモチ、
この子に触れたキモチ、
わたしは忘れちゃいけない。
きょう言葉にしたキモチも、
「それは大切なことかもね」って言われたことも
わたしはわたしの神さまを信じよう。
自分を信じる。自分を。
この世界は果てしなく心でできていて、魔法だってよくわかってきたよ、さいきん。
(めちゃくちゃにかわいいマグカップを手に入れた)